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Webサイトの脆弱性診断とは?必要性、種類、流れ、費用を解説!

更新日:2026/02/09

Webサイトの脆弱性診断は、情報漏えいや不正アクセスを防ぐために欠かせないセキュリティ対策です。本記事では、診断の必要性や種類、実施の流れ、費用相場まで詳しく解説します。ぜひ安全なサイト運営の参考にしてください。

なぜ今脆弱性診断が必須なのか

まず初めに、近年のサイバー攻撃の動向を踏まえ、なぜ今Webサイトの脆弱性診断が重要視されているのかを解説します。

サイバー攻撃の現状と脆弱性の狙われやすさ

近年、サイバー攻撃の高度化、自動化が進み、企業規模を問わずWebサイトが標的となっています。特にCMSやプラグインを利用したサイトは構造が共通化されているため、攻撃者から発見されやすい傾向にあります。インターネット上に公開されている以上、脆弱性は存在するだけでリスクとなり、攻撃の入口になり得ます。攻撃は特定の企業を狙うとは限らず、無差別にスキャンされるケースも多いため、日常的な対策として脆弱性診断の重要性が高まっているのです。

脆弱性を放置するリスク

脆弱性を放置すると、情報漏えいや不正アクセス、Webサイトの改ざんといった重大なインシデントにつながる可能性があります。これらは一時的な障害にとどまらず、企業の信頼低下やサービス停止、顧客離れといった長期的なビジネス損失を招きます。
また、事故発生後の対応コストや賠償リスクは非常に大きく、事前対策を怠ったことが経営判断として問われるケースにもつながるでしょう。

そのため、被害を未然に防ぐためにも、定期的な診断によるリスク把握が不可欠です。

法令、ガイドライン上の必要性

Webサイトで個人情報や業務上重要な情報を取り扱う場合、法令や公的ガイドラインを踏まえた情報セキュリティ対策が求められます。個人情報保護法では、個人データの漏えいや不正アクセスを防止するため、事業者に対して必要かつ適切な安全管理措置を講じることが求められています。

また、経済産業省ではサイバーセキュリティを経営上の重要なリスクの一つとして捉え、経営者自らがその把握と対応を主導する姿勢が重要であると示されています。特に、システムの弱点を把握し、想定されるリスクを管理可能な水準まで低減していくことは、事業継続や説明責任の観点からも重要な考え方とされています。

脆弱性診断は法令上で直接義務付けられているものではありませんが、こうしたガイドラインの趣旨に沿い、リスクを可視化し適切な管理を行っていることを示す手段の一つとして検討されるケースが増えています。

Webサイトの脆弱性にはどんな種類がある?

Webサイトの脆弱性は、単なるプログラムミスだけでなく、設計や運用の過程でも生まれます。ここでは、脆弱性が発生する代表的な要因をフェーズごとに整理します。

要件整理の段階で起きるセキュリティ的欠陥の見落とし

Webサイト開発の初期段階では、機能要件が優先され、セキュリティ要件が後回しにされがちです。「どの情報を守るべきか」「どこまで制御が必要か」といった整理が不十分なまま設計が進むことで、仕様の曖昧さが後工程に引き継がれます。その結果、意図しないアクセスや情報露出を許す設計となり、完成後に修正が困難な脆弱性として表面化することがあります。

プログラム実装に潜むヒューマンエラー

実装段階では入力値チェックの漏れや安全でない記述方法の踏襲など、開発者の経験や理解度の差によるミスもWebサイトの脆弱性につながります。


また、デバッグ目的で出力した詳細なエラー情報を削除し忘れたまま公開してしまうケースも少なくありません。コーディングルールやレビュー体制が統一されていない環境では、こうした人為的ミスが積み重なりやすいため注意が必要です。

システム設定、構成管理の甘さ

アプリケーション自体に問題がなくても、サーバーやミドルウェアの設定不備が脆弱性の原因になることがあります。初期設定のまま運用していたり、不要なポートを閉じていなかったりといった管理不足が代表例です。

さらに、開発担当と運用担当が分かれている体制では、誰がどこまで責任を持つのかが不明確になりやすく、設定の見直しや更新が後回しになる傾向があります。このような構成管理の甘さは攻撃者にとって格好の侵入口となるため、システム全体を俯瞰した管理体制の整備が重要です。

外部ソフトウェア、ライブラリに起因する脆弱性

近年のWeb開発ではOSSや外部ライブラリの利用が一般的ですが、それらに脆弱性が発見されるケースもあります。自社で開発していない部分であっても、更新が滞れば攻撃の入口となります。サプライチェーン全体を含めた管理が求められる現在、依存関係の把握と継続的な確認が重要です。

脆弱性診断とは?目的と診断手法

脆弱性診断は、Webサイトの安全性を維持するための基礎となる取り組みです。ここからは、診断の目的や代表的な診断手法について解説します。

脆弱性診断の目的

脆弱性診断の目的は、Webサイトに潜むセキュリティ上の弱点を可視化し、攻撃される前に対処することです。すべてを一度に修正するのではなく、リスクの高い箇所を特定し、優先順位をつけて改善できる点も大きなメリットです。安全な状態を維持するための「土台づくり」として、定期的な診断が重要視されています。

診断手法 自動診断と手動診断について

脆弱性診断には、大きく分けて「自動診断」と「手動診断」の2つのアプローチがあります。

自動診断は、専用のツールやスキャナーを使用して、既知の脆弱性パターンを機械的にチェックする手法です。SQLインジェクション、XSS、ディレクトリトラバーサルなど、定型的な攻撃パターンに対する耐性を網羅的に検証します。数百〜数千項目の検査を短時間で実行できるため、基本的なセキュリティレベルの確認に適しています。

手動診断は、セキュリティ専門技術者が実際にシステムを操作しながら脆弱性を探す手法です。ツールでは検出できない複雑な認証・認可の不備、業務フロー固有の論理的欠陥、複数の機能を組み合わせた攻撃シナリオなどを検証します。システムの仕様を理解した上で、攻撃者の視点から多角的にセキュリティホールを探索します。

なお、自動診断は短時間で広範囲をチェックできる反面、誤検知や検出漏れが発生する可能性があります。
一方、手動診断は専門技術者が実際の挙動を確認するため、ビジネスロジックに起因する問題など、より深い脆弱性を発見できます。両者を組み合わせることで、網羅性と精度を両立した診断が可能になります。

脆弱性診断とセキュリティ対策の違い

脆弱性診断は、あくまで現状の問題点を見つける工程です。一方、セキュリティ対策は、発見された脆弱性を修正し、再発を防ぐための取り組みを指します。診断だけで終わらせず、改善と確認を繰り返すことで、実効性のあるセキュリティ対策が実現します。

Webサイトの脆弱性診断の種類

一口に脆弱性診断といっても、その手法や対象範囲はさまざまです。ここでは、代表的な診断の種類と特徴を紹介します。

Webアプリケーション診断

Webアプリケーション診断は、入力フォームやログイン機能、検索機能など、Webサービスを対象に脆弱性を確認する診断です。具体的には、SQLインジェクションやXSSなど、攻撃者が最も狙いやすいポイントを重点的に検査します。ユーザー入力を伴う動的サイトのほぼすべてが対象となり、情報漏えいや不正操作を防ぐうえで欠かせない診断です。

プラットフォーム、インフラ診断

OS、ミドルウェア、仮想基盤などのプラットフォーム層に脆弱性が存在すると、外部からの攻撃や内部からの不正アクセスのリスクが大幅に高まります。アプリケーションがどれだけ堅牢でも、土台となる基盤部分が脆弱では意味がありません。

プラットフォーム診断では、以下のような項目を重点的にチェックします。

  • セキュリティパッチの適用状況
  • 不要なサービスやポートの開放有無
  • アクセス権限設定の適切性
  • デフォルト設定のまま運用されている箇所

こうした基盤レベルの潜在的リスクを早期に特定し、システム全体の安全性を底上げすることがプラットフォーム診断の目的です。

ペネトレーションテスト

ペネトレーションテストは、実際の攻撃者と同様の手口で侵入を試み、どこまでアクセス可能かを検証する診断です。単一の脆弱性だけでなく、複数の弱点を組み合わせた攻撃にも有効です。理論上の指摘にとどまらず、実害の有無を確認できるため、セキュリティの実力試験のような位置づけといえます。

ソースコード診断

ソースコード診断は、Webアプリケーションのプログラムコードを直接確認し、処理漏れやロジック上の欠陥がないかを解析する診断です。入力値の検証不足や権限チェックの不備など、動作確認だけでは見つけにくい問題を洗い出せます。運用中のコードでも実施可能で、実装者自身が気づきにくいバグや設計上の弱点を把握できる点が特徴です。

脆弱性診断の流れ

脆弱性診断は、事前準備から結果報告まで複数の工程で構成されています。ここでは、一般的な診断の進め方を解説します。

ヒアリングと対象範囲の確定

最初に行うのが、診断対象と範囲の整理です。診断するURLや機能を明確にし、どこまでを確認対象とするかを決定します。ログイン機能がある場合は、認証情報の共有やテスト環境の用意も必要です。また、診断の目的や重視したいポイントによって対象範囲が異なるため、事前に条件をすり合わせておくことが重要です。

診断前準備

診断前準備は、診断品質に大きく影響する重要なフェーズです。テスト環境の調整や、診断に必要な権限設定を行い、想定通りに検査できる状態を整えます。なお、事前に環境を確認することで、不要なトラブルを防ぎスムーズな診断実施につながります。

診断の実施

準備が整った後、脆弱性診断を実施します。自動診断と手動診断を組み合わせ、入力フォームや認証機能などを多角的に検証します。場合によっては、攻撃者の行動を想定した攻撃シナリオに沿って確認することもあります。発見された脆弱性は内容ごとに整理し、後の報告に向けて記録、分類していきます。

レポート作成から再診断

診断結果はレポートとしてまとめ、脆弱性をCritical、High、Middle、Lowなどの深刻度に分類します。それぞれについて影響範囲や具体的な改善案を整理し、開発者、運用担当者、経営層に伝わる形式で報告します。修正対応後は再診断を行い、対策が適切に反映されているかを確認することが必要です。これにより、運用段階での見逃しを防ぎます。

脆弱性診断にかかる費用相場

脆弱性診断の費用は、診断内容やサイト規模によって大きく異なります。一般的な価格帯と費用が変動する要因を整理しましょう。

一般的な価格帯

脆弱性診断の費用は、診断方法によって大きく分かれます。ツールを用いた自動診断は比較的安価で、目安として10万〜30万円程度が一般的です。


一方、専門家が確認する手動診断や高度な診断では、50万〜数百万円程度になるケースもあります。サイトの構造が複雑であったり、機能数が多い場合は、その分工数が増え、費用も高くなる傾向があります。

料金が変動する要因

費用に影響する主な要因は、ページ数や機能数、API連携の有無などです。確認対象が多いほど診断工数は増加します。
また、自動ツールだけでなく手動作業が多く必要な場合、費用は高くなりがちです。特に、画面遷移や権限管理などビジネスロジックに踏み込んだ診断は難易度が高く、他の診断と比べて高額になる傾向があります。

安さだけで選ぶリスク

価格の安さだけで診断サービスを選ぶことには注意が必要です。自動診断のみの格安サービスでは、攻撃者の視点での検証が行われず、重要な脆弱性を見落とす可能性があるためです。


また、初期費用は抑えられても、万一セキュリティ事故が発生した場合の損害は非常に大きくなります。診断実績や経験豊富な診断者が関与しているかも、重要な判断ポイントです。

脆弱性診断会社を選ぶポイント

脆弱性診断の品質は、依頼する会社によって大きく左右されます。ここでは、確認すべき選定ポイントを解説します。

手動診断の有無

精度の高い脆弱性診断を行うためには、専門家による手動診断が欠かせません。自動診断は効率的に広範囲を確認できますが、誤検知や検出漏れが起こる可能性もあります。自動診断のみの会社では、網羅性や深さに不安が残るケースもあるため注意が必要です。あわせて、診断実績やセキュリティ関連資格を保有するエンジニアが在籍しているかも確認しておきたいポイントです。

レポートの分かりやすさ

診断結果をまとめたレポートの内容も、会社選びの重要な判断材料です。脆弱性の指摘だけでなく、再現手順や具体的な改善策まで明記されているかを確認しましょう。


また、管理者だけでなく開発担当者や運用担当者など、技術レベルの異なる関係者が理解できる構成になっていることも重要です。さらに、対策の優先度が明確に整理されていると、対応の判断がしやすくなります。

アフターフォロー

診断は実施して終わりではなく、その後の対応が重要です。修正後に再診断を実施してもらえるか、改善に関する相談に応じてもらえるかなど、アフターフォロー体制を確認しておきましょう。こうした支援があることで、修正内容の妥当性を確認でき、運用フェーズにおける安全性の担保にもつながります。継続的な視点でサポートしてくれる会社かどうかがポイントです。

実績、専門性

これまでの診断実績や専門性も重要な比較要素です。大企業から中小企業まで幅広い顧客規模に対応しているか、特定の業界での経験が豊富かなどを確認しましょう。
さらに、Webアプリケーションやネットワーク、クラウド環境など幅広い技術領域への知識を持ち、最新の脆弱性や攻撃手法を踏まえた診断ができる専門性も確認しておきたいポイントです。

プロの診断士による脆弱性診断「エシカルハック」

脆弱性診断の重要性が高まる中、効果的かつコストを抑えた診断を実現するサービスとして、エシカルハック(脆弱性診断サービス)があります。

エシカルハック」は、SPIRAL®で開発したWebアプリケーションに対して実施する脆弱性診断サービスです。手動診断と自動診断を組み合わせ、SQLインジェクション、XSS、CSRF、セッションハイジャックなど、IPAの「ウェブ健康診断仕様」に記載された13項目を含む幅広い脆弱性を検証します。

SPIRAL®を熟知した診断士が対応するため、一般的な診断サービスでは検出困難なプラットフォーム固有の設定に起因する脆弱性も発見できます。また、他社の約5〜7割程度のコストで実施でき、再診断1回まで無料、診断後の報告会や具体的な対策方法のフィードバックも追加費用なしで受けられる充実のアフターフォロー体制が特徴です。
※SPIRAL®以外で開発したWebアプリケーションも診断可能です。

サービスの詳細について興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ

Webサイトの脆弱性診断は、情報漏えいや不正アクセスといったインシデントを未然に防ぐために欠かせないセキュリティ対策です。

脆弱性診断には、Webアプリケーション診断やインフラ診断、ペネトレーションテストなど複数の種類があり、サイトの構成や目的に応じた選択が求められます。また、診断結果を活かすためには、修正提案や再診断まで含めた支援体制も診断会社を選定する際の重要な判断ポイントとなるでしょう。

このコラムの執筆者
スパイラル編集部
スパイラル株式会社マーケティング部が中心となり、ITサービスを検討中の皆様に役立つ情報を発信しています。