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ARTICLE~エピソード22~ イベント成功のカギは参加者データ管理から!システムを統合し業務を一元化した事例をご紹介!
掲載日:2025年5月30日

私の名前は渦真木(うずまき)。港区にあるIT企業、スパイラル株式会社に勤める27歳の会社員だ。「顧客接点DX調査班」という、社内外を問わずDXに関するギモンに答えるというプロジェクトに参画しており、毎日、さまざまな業界のDXについて調査をしている。
2025年5月某日、朝8:30。
5月も下旬となり梅雨の季節が近づいてきた。

渦真木くんおはよう!久しぶりだなっ。ゴールデンウイークはどこかに出かけたのか?

おはようございます!遠出はしなかったのですが、近場なら出かけましたよ。どこも混雑していて大変でしたが。

最近は旅行客も多いし、観光地はどこも混雑しているよな。

そうですねぇ。

だが以前に比べて、チケットは事前にネットで買ってQRをかざして入場できるし便利になってはいるね。

あー!以前はチケット買うのに並び、入場するのに並び…とイベント会場に入場するまでに時間がかかっていましたね。そう考えると今は観光客が増えているわりに並んだりする時間は減っているような…。

というわけで、今回の調査はイベント管理システムだ!イベント管理の中でも参加者の受付やデータ管理についての事例を調査してくれ!ではっ!
ばたんっ


渦真木さんおはよう!今回はイベントの参加者の管理?最近はどのイベントも混んでいるもんね。

そうですね。混雑回避、というのもありますが、開催側から考えるとイベントに参加してくれた方のデータの管理も重要ですからね。

そうね。個人情報の管理と正確な予約管理の徹底はもちろんのこと、イベントを成功させるには参加者情報をうまく活用する必要があるものね。

はい。イベント運営の中でも、最近の参加者の管理などはどうなっているのか、事例を含めて調べてきますね!

お願い!
イベント運営での参加者の管理の課題

班長!さっそく調べてきました。

どんな感じだった?

とにかくイベント運営は大変、スタッフの人数も必要だし、やる事が多くてバタバタしてしまう…など、なかなかスムーズに運営できない状況が多いようです。

そうだね。突発的なトラブルも起きたりするし…。

はい。例えば展示会でいうと下記あたりが課題になっていそうです。
- 参加者の申込情報の収集・更新(キャンセルや変更対応)に手間がかかる
- 予約ごとに担当者が必要な場合、ダブルブッキングの調整やスタッフの割り当てに手間がかかる
- 参加者同士、参加者とスタッフ間でのコミュニケーションに課題がある
- 入場受付で、混雑回避のためにスタッフが多く必要になる
- 参加者アンケートの収集などに手間がかかっている
- 案内メールなど告知に手間がかかる

ふむふむ。これをメールや電話でやっていたら、ミスも起きるね!でもすでにシステム化している開催者も多いんじゃない?

はい。告知メールはメール配信システムから一括配信、また受付フォームを設置して情報をDBに流し込む…などは比較的システム化しているところが多いみたいです。

SaaSなどで手軽に導入できるものも増えているものね。

はい。ですがイベントは業務が多岐に渡りますし、イベントによって必要な業務もさまざまになるので、なかなか全部の業務をシステム化するというのは難しいです。またあれこれ違うシステムを使っていて、データを紐づけるのにExcelで手作業が必要になるなど、手間がかかってしまうパターンも多いです。

あー、なるほど。

これらの業務はまとめてシステム化することで、かなり工数を削減しミスを減らすことができるのですが、次にシステム導入する場合の注意点をお伝えしますね。
イベント運営でシステム導入する場合に、気を付けたいポイント
- UIの使い勝手はどうか?
→参加者はもちろん、管理者や担当になったスタッフがすぐに使えるか?
→利用するにあたりマニュアル作りや研修がどの程度必要になるのか? - カスタマイズ性
→イベントは多種多様。業務に沿ったシステム導入が実現できるか? - 複数のシステムでの同期
→複数のシステムを使う場合、リアルタイムでの同期が可能かどうか

ふむふむ。UIの使い勝手は大事だよね。直感的に使えるものだと参加者もスタッフも混乱せずに利用できるかな。

参加者の使い勝手はもちろんですけど、スタッフ用のマニュアル作成や研修なんかもイベント直前になって時間をとられてしまいます。

あとはカスタマイズ性だよね。自社のイベントの業務フローに沿ったものじゃないと、ひと手間かかってしまったりすることもあるよね。システムの導入のしやすさで“少しくらいの手間ならいいか”と妥協してしまうと、意外とその手間がネックになって工数を削減できなかったりするよね。

ありますね。あとは導入のしやすさから、複数のシステムを使っている場合ですが、データの同期がスムーズにできるかは注意が必要ですね。

こっちのシステムでは氏名の入力欄が「名字」と「名前」に分かれていて、こっちのシステムでは分かれていない…とかありがちだよね。

はい。日時の形式なども変更するのに時間がかかるので気を付けたいです。

それを考えるとシステムは統一して業務フローを一元管理できるのが一番いいのかもね。

そうですね!
展示会での課題を解決した豊田合成様の事例紹介

オホンオホン!イベント管理の事例について、展示会での課題を解決した良い事例があるので私からご紹介しますね!

よろしく!

ご紹介するのは自動車部品メーカーの豊田合成様の事例です。コロナ禍の影響で展示会を招待制に変更したのですが、この変更に伴い、顧客一人ひとりへの招待メール送付、電話やメールでの来場日時の調整、アテンド管理など、新たな業務が発生することになりました。また、長年、手書きアンケートのデータ化や集計作業の負担軽減も課題となっていました。これらを解決するため、来場予約、参加証による当日受付、アンケート回答受付まで一元管理できるシステムを検討することになったのです!

豊田合成様では手書きのアンケートをパソコンに入力して手作業でデータ化していたので、展示会後のフォローが遅れてしまうという課題も持っていらしたよね。

はい。実は今回のシステム導入をする前に、この課題を解決するため、パッケージ化された予約システムを導入したのですが、アンケートデータの手動入力という課題は依然として残っていました。そのため、予約からアンケート管理まで一貫して効率的に運用できるシステムを導入できないか考えるようになったとのことです。そこで今回は来場予約からアンケートまで一元管理を実現できる“展示会来場受付管理システム”を構築しました。まずは予約の流れをご紹介します。


お客様は受信した招待メールから専用の予約画面にアクセスし、来場日時を選択して予約します。
予約完了時に自動配信するメールには二次元バーコード付きの参加証が添付されていて、お客様はこれを使って当日簡単に入場受付ができます。またキャンセルもお客様ご自身でできる仕組みになっているので、お客様ご自身ですべての手続きを完結できる仕組みになっているのです!

※ SPIRAL®︎ シャリーン(図中:シャリーン)とは
二次元バーコードを読み取り、取得したパラメータに、iPhone端末で登録した情報を付加し、SPIRAL®のデータベースに登録できるスマートデバイス用アプリ。

次に来場後ですが、シャリーン(二次元バーコード読み取り機)を製品ブースごとに設置しており、お客様は興味を持った製品ブースで参加証の二次元コードをかざすだけで、その製品を“気になる製品”として登録できます。

へー。それは双方にとって便利な仕組みだね!

はい!また展示会の周回後は、お客様は会場内の専用パソコンでアンケートに回答するのですが、共通の質問項目に加え、会場で登録した“気になる製品”に関する個別の質問が表示されます!お客様ごとに個別のアンケートが実施できるのです!

その場でアンケート収集をしてしまうことで、アンケートの回収率も高まりそうだね。

そうですね!展示会の予約~来場~アンケートまでの業務を一元管理できたことに加え、“気になる製品”を登録出来たり、お客様の興味に応じたアンケートを作成出来たりと自社にとって必要なプロセスもシステム化できた、という事例になります!
オホンッ!

ふむふむ。この事例のメリットをまとめると…。
- 200%の来場者数にもかかわらず、以前と変わらない人員と作業時間で対応が可能になったこと
- アンケートに係る作業時間は95%減、社内展開も即日可能となり、スピーディーなフォロー活動を実現したこと
- 二次元バーコードを使用した「気になる製品」の登録システムの予想外の効果もあった

…という感じかな。豊田合成様からは“来場予約からアンケート回答まで一貫した管理が可能になりました。これは我々が一番に求めていた成果であり、実現できて良かったと思っています。”とのお言葉をいただいているけど、やはり工数の削減のポイントはシステムの統一、業務フローの一元管理になりそうだね! 2人とも今回もありがとう! あとでポイントをしっかりまとめて調査報告書を提出してね!

というわけで、5月のテーマはイベントの参加者管理についてでした。リアルイベントが盛況の今、より良いイベント運営に貢献出来たらいいなぁ。来月もがんばろう!
参考事例こちら
(※本コンテンツの登場人物、部署等はフィクションです。)