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~エピソード4~紙書類をそのままデータ化!AI-OCRってなんだろう?展示会やレシートキャンペーンに!知っておきたい「AI-OCR」の活用法

掲載日:2023年9月6日更新日:2024年2月21日

私の名前は渦真木(うずまき)。港区にあるIT企業、スパイラル株式会社に勤める27歳の会社員だ。「顧客接点DX調査班」という、社内・社外問わずDXに関するギモンに答えるというプロジェクトに4月より参画となり、毎日、さまざまな業界のDXについて調査をしている。

9月某日、朝8:30。

朝晩はだいぶ涼しくなったとはいえ、今年は本当に暑い…!ネッククーラーに携帯扇風機というフル装備にも関わらず、通勤するだけで汗だくになる…DXでこの暑さを解決する方法はないのだろうか?(無理か…。)
クーラーの効いたオフィスに到着し、汗をふきつつPCを開くと、ボスからの指令が。

AI-OCR…。最近良く聞くような…。

班長
渦真木さん、おはよう!ふむふむ、今回はAI-OCRについてね。
渦真木
班長、おはようございます!そういえば昨今では、ITの普及でさまざまな情報がデータ化されていますけれど、紙によるデータ管理もまだまだ残っていると聞きますよね。紙に記載された内容をデータ化するためには、手作業でデータを入力する必要があるので、かなり手間のかかる作業になってしまう…。その入力の手間を効率化できるものがAI-OCRという事ですよね。
班長
そうだね。昔は読み取り精度の問題があって導入が難しかった場合もあったけれど、最近では精度が上がってきて導入する企業が増えているみたいよ。当社でも春に出展した展示会の時に使っていたと思うから、担当者にも話を聞いてみるといいんじゃないかしら。
渦真木
分かりました。早速担当者に話を聞いてみます!

というわけで今回はAI-OCRとはどんなものなのか?よくあるお困りごとについて調べてみよう!

渦真木
班長!営業とサポート部門の社員と、今回は展示会に出展したメンバーにも、ヒアリングしてきました。まずはAI-OCRについて簡単にまとめてみました!
渦真木
従来から活用されているOCRは、スキャナーから読み取った画像を「読み取り範囲」を指定して文字や記号、数値を読み取ってデータ化していたので、フォーマットが異なる帳票ではとても非効率だったんですよね。
班長
決まったフォーマットのものは読み取れていたけど、用紙がズレてしまうと読み取れなかったり、手書き文字の読み取り精度が悪かったり、課題は多かったよね。
渦真木
そうなんです。ですが、AI-OCRは、文字認識精度やレイアウト解析精度が大幅に向上しているので、多少のズレがあってもデータを読み込めたり、スマホで撮影した画像データから必要な情報を抽出したりできるようになりました。「スマホでパチリ」→「画像をAPIで連携したAI-OCR がデータ化」→「データベースに格納」という非常に手軽なフローが可能になっているため、さまざまなシーンで導入されているようです。
班長
なるほど…。今更だけどAIってすごいね!
渦真木
次にAI-OCRで解決したお困りごとについて営業に聞いてきましたのでご紹介しますね。
渦真木
まずは当社が今年の春に展示会に出展した時のお困りごとです。お客様からのヒアリング内容を書き留めるには紙の方が速いけれど、紙に書いてしまうとデータ化までに時間がかかってしまう…という課題があり、今回AI-OCRを導入してみたとのことでした。
班長
実際に書き留めたヒアリングシートを見たけれど、粗い文字も正確に認識されていて感心したよ。
渦真木
忙しいですから丁寧に書いている時間もないですよね。実際の展示会ではブースで対応する担当と、ヒアリングシートをAI-OCRで登録する担当がいて、かなりスムーズにデータ化していたとのことです。フォーム送信後はすぐにデータベース上に反映されるので、現場の担当者間はもちろん、展示会現場にいなくてもすぐに情報を共有出来ますね。
渦真木
次によく行われているレシートのマストバイキャンペーンをご紹介します。
班長
スーパーやドラッグストアとかでよく開催されているのを見かけるけど、事務局での目視チェックは大変そうだよね。AI-OCRを導入すれば、レシートをスマホで撮影して送っただけで、内容がデータ化されて、更には重複などのエラーチェックもできる。格納されたデータから当選者にメールを配信したり、デジタルギフトの特典を配信したりもできるんだ…。
渦真木
そうなんです!複数のツールやシステムと連携ができるので処理を一元化することが可能なんです。
班長
渦真木さんありがとう!AI-OCRはスマホからの画像読込が可能になり、スキャナーが不要になったことで、導入ハードルが格段に低くなったよね。これならオフラインの場で集めた紙の情報を手軽にデータ化することができる。これまで手作業での入力業務に頼っていた部分が自動化されるため、従来業務の「入力・チェック作業」が削減できて、業務スピードが上がる!お客様の手間も効率化できるし、これが最大のメリットね!

班長と話していると、螺旋(らせん)さんが急に立ち上がってやってきた。

螺旋
渦真木さん。調べたのはそれだけですか?他にもうないなら私が調べた最新の事例をお話ししますが…。
渦真木
(螺旋さん、今日も暑いのに嫌味だな 苦笑 でも事例は知りたいな)さすが螺旋さんですね。ぜひ教えてください。
螺旋
こちらですが、企業のマイカー通勤や大学の駐車場の利用登録の申請に使われている事例になります。今までは免許証や保険証券の画像を添付するのに加えて、フォームに必要な情報の入力が必要だったのですが、AI-OCRを導入することで、ユーザーは画像を添付してスマホで送信するだけでよくなりました。必要な情報をAI-OCRが自動判別し、読み取ってくれるので、管理者側は作業の手間なくデータベースに格納されたデータを確認することができます。その後はさまざまなシステムと連携させて許可証の発行などにデータを活用することも可能です。また免許証の期限が切れる前や、保険が満期を迎える前に自動でリマインドメールを送ることもできるので、免許証や保険の期限切れを防止することができます。これはAI-OCRを使って紙書類をデータ化することで、申請業務のフロー全体をWeb化できた場合の大きなメリットの一つですね。
班長
免許証や保険証の内容を入力するのは面倒だよね、その手間をかけずにリマインドメールまで自動で配信できるのね!これは便利ね!
螺旋
オホン。保険証券の例でいうと、保険会社では、お客様の保険証の内容をAI-OCRで読み取って自動見積りをするシステムも使われていますね。この自動見積りフォームをWebサイトに設置しておいて、見積もりを依頼してくれたお客様にデジタルギフトを自動で送信することも可能です!
最近ではAI-OCRが高精度になったことに加え、低価格でAPI連携ができるサービスが出たことで、今まで使っていたWebアプリの入力の場面にAI-OCRを追加するなど、Web活用がしやすくなっている点もAI-OCRの需要が高まっている一因と言えるでしょう!
班長
さすが螺旋さん!(パチパチ)
渦真木
さすが螺旋さん!(パチパチ)
班長
紙書類は時と場合によってまだニーズがあるから、無理にWeb化することで不便になることもあるよね。AI-OCRの技術進歩で導入ハードルが下がっているので、発展的な利用として、APIで他ツール・システムと連携させて活用の幅を広げていくのが良さそうだね。今回もありがとう! それでは今の内容を私の方でボスに報告するので、2人ともポイントをしっかりまとめて調査報告書を提出してね!

というわけで、今回も調査班の仕事は無事に終わった。それにしても、うちの会社が展示会でAI-OCRを活用していたなんて知らなかったなぁ。新しい技術を取り入れて、業務効率を上げていく姿勢は見習わないと・・・!さて次回は(螺旋さんに負けないように)もっと頑張ろう!

(※本コンテンツの登場人物、部署等はフィクションです。)