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ARTICLE~エピソード27~顧客接点のDXを加速する、“ローコード内製化”という選択
更新日:2025/12/04

2025年12月、朝8:30。
朝の風は冬の気配となり、肌寒い季節となってきた。
コンビニで温かいコーヒー(濃いめ)を買うのが最近の習慣だ。会社に到着し、席に座り、
「さて飲もう」と思ったその瞬間――
ガチャッ。
渦真木くん、おはよう!今朝コンビニでチョコのお菓子買ってな。知っとるか?これ。
あっ、はい、知っていますが…。(某有名アニメのコラボ商品、ボス好きなんだ)
このキャラ好きでな、キャンペーンに応募しようとして、スマホで応募フォーム開いたんやけど、入力項目多すぎて疲れて途中でやめてしもたよ!
ありますよね!項目が多い場合もですけど、入力しにくいフォームだと諦めることあります。
ほんまそれや!ほんの少し直すだけで良くなるのになぁ。
フォームの改修って、作業としては簡単そうに思えますけど、外部の業者さんへの依頼だと、依頼内容をまとめたり、予算調整したり、時間がかかる場合も多いですよね…。
確かになぁ。だから最近、外部に依頼せずに社内での“ローコード内製化”が流行ってるんかな?現場が自分らで直せるようになると、顧客接点の強化につながる…って誰かが言うてたけど、ほんまにそんなに変わるんか?
変わると思います!特に顧客接点はスピードが命ですからね…。
では今回は企業の“ローコード内製化”について調査してきてくれ!
任せてください!では早速調べてきます!

班長、おはようございます!今回のテーマは顧客接点部分の“ローコード内製化”です!
おはよう。顧客接点部分って、問い合わせ対応や申込フォームなどの、よりお客様に近い部分よね。そこを内製化するのね。ふむふむ、効果ありそうだね!
はい!ではまず“顧客接点のスピード改善がなぜ重要なのか”から説明します。
目次
顧客接点の“スピード改善”が求められる背景
今って時代的なものなのか、商品やサービスって似たようなものが多いですし、新しい商品やサービスを出したとしても、すぐに真似されてしまったりしますよね。でも“問い合わせ対応の速さ”や“申込フォームの使いやすさ”のような顧客体験(CX)は、企業としてかなり差が出る部分になるんですよ。
確かにフォームが使いやすくて入力が簡単とか、問い合わせしたらすぐに返信があったとか、それは企業によって差がある部分ではあるよね。
そうなんです。商品やサービスが似ているものだったら、申込や手続きのフォームが使いやすかったり、問い合わせの対応が早い企業のサービスを選んだりしませんか?
そうだね。使いにくかったら離脱するし、便利だったら次も使おうってなるし…。企業や商品、サービスのイメージも変わってくるわね。でも最初から使い勝手のいいフォームを準備すればいいんじゃないの?
はい!もちろん最初から使い勝手のいいフォームを準備することは重要です。でも長年使っていると手続き方法が変わったり、新しい技術が出てきて今までのフォームが古くなってしまう…なんてこともありますよね。
まぁ、長く使っているとずっと最先端ってわけにはいかないからね。
そうなんです。なので、そのたびに改善すれば良いのですが、こういう改善って、実はすぐ直せない企業が多いんですよ…。理由は下記のとおりです。
- IT部門や外注に依頼してから着手まで数週間、リソースによってはさらに待たされる場合も
- 外注の場合は見積り→調整→開発→修正で数ヶ月かかる場合も
- 小さな改善は、まとめて修正依頼をする場合もあり“直るまで時間がかかる”
ああ、そうだね。コストを考えても細かいものは我慢する場合もあるね。確かにそれだと顧客接点の改善スピードは出ないわね。
ローコード内製化のメリット
次にローコード内製化のメリットをご説明します。一言でいえば、“現場がすぐ直せるようになる”ということです!むしろ、これまで“IT部門や外注にお願いしないと何もできなかった世界”が、“現場主体で動ける世界”に変わる、と言った方が正しいかもしれません。
ほう、なかなか壮大ね。それはつまり……?
例えば、こんなシーンってありません?
- 問い合わせフォームの入力項目を1つ変えたい
- キャンペーンの申込画面を急いで作りたい
- 管理者向けの一覧画面に“検索条件”を追加したい
このような小さな改善でも、従来は“IT部門や外注へ依頼 → 優先順位待ち → 外注の見積り → 開発 → テスト”…と、数週間〜数ヶ月かかることがありましたが、これがローコード開発だと“現場で即日対応できるようになる” ということです。
▼ ローコード内製化を導入することで、こう変わる!コーディング不要
- ドラッグ&ドロップで画面・項目・動作を構築
- 直したいところをその場で修正
- 問い合わせフォーム・申込画面・管理画面なども即変更
- データベース連携も簡単
- 顧客情報の検索・更新・一覧表示を“設定”で実装
- 複雑なロジックやワークフローも組める
- 条件分岐やステータス管理もGUIで設定可能
- 改善サイクルが劇的に短縮
- 試作 → 確認 → 改善 のループが1日で回る
▼「問い合わせフォーム」での内製化運用例
- サービスのお客様からのお問い合わせフォームをサービスの担当部門で構築
- 1週間後:構築したフォームの反響を計測
- 計測したデータをもとに担当部門で再検討
“サービス内容の紹介が分かりにくいのではないか”、“入力項目を減らそう!”など…。 - 集めた改善案でフォームを即修正
- 更に1週間後:改善されているかどうかを計測→さらに改修できる箇所があれば検討・修正
- 計測にあたって、管理画面の項目なども変更したほうが利便性が高い→即変更
- フォームも改善し、運用にも慣れてきたところで新たに機能を追加
(1か月の計測を見やすく表示する、問い合わせのあったお客様への自動メールの数を増やすなど…) - 短期間でフォームの効果を最適化できる

もちろん利用するプラットフォームによって差異はありますが、だいたい上記のようなところがメリットとなります。
なるほど。“現場がすぐに修正できるレベルまでハードルが下がる”ってことなのね。
そうなんです。だからこそ、すぐに改善ができるようになって、
顧客接点部分の改善スピードがケタ違いに上がるんですよ!
これは確かに、顧客体験に効きそうね。
ローコード内製化を始めるための「最初の3つのステップ」
ここからはローコード内製化をすすめるために“最初に何をすべきか”の3ステップです。
① 目的の明確化
- 顧客対応の迅速化
- 離脱率の改善
- デジタル施策を素早く試せる体制
- データ活用の推進
② 現状を把握する
- 手作業に頼っている業務
- 使いにくいフォームや画面
- システムの乱立、データの分断
- 担当者のスキル状況
③ スモールスタート
- まずは“1つの顧客接点アプリ”から
- 例:問い合わせフォーム、申込フォーム、簡易CRM
- MVP(最小機能)でリリース→改善→展開
具体的に言うと、キャンペーンの参加者を増やしたい場合は、現状の問題点を把握したうえで、まずは簡単なキャンペーンフォームの構築からはじめてみる。
申込フォームでの離脱が多い場合にはテキストの配置や見やすさなどを改善したり、入力規則などを使って、使い勝手の良い入力フォームに仕上げてみる。
計測→改善案→修正のサイクルを繰り返しながら、利便性の高いフォーム構築の内製のスキルをあげていくと良いかもしれません。簡単なフォームでの構築・運用がうまくいったら次は問い合わせフォームも内製化してみる…のような手順ではじめるのが良いかなと思います。
申込フォームでの離脱が多い場合にはテキストの配置や見やすさなどを改善したり、入力規則などを使って、使い勝手の良い入力フォームに仕上げてみる。
計測→改善案→修正のサイクルを繰り返しながら、利便性の高いフォーム構築の内製のスキルをあげていくと良いかもしれません。簡単なフォームでの構築・運用がうまくいったら次は問い合わせフォームも内製化してみる…のような手順ではじめるのが良いかなと思います。
内製化してみたら、思ってもみなかった問題点が出てくることもあるし、内製化はスモールスタートが重要だよね。成功体験を作って、そこから広げていくのが良いということだね。
ローコード内製化を成功に導く「4つのポイント」
① アジャイル開発の導入
- 短期間のサイクル(1〜2週間単位)で、作る→直すを繰り返すことで改善スピードを飛躍的に向上させる
アジャイル開発とは…「素早い」「機敏な」という意味を持つソフトウェア開発手法で、短い開発期間を繰り返し、機能単位ごとに開発を進 めてリリースを重ねるのが特徴
② 外部パートナーの活用
- 例えばキャンペーンフォームなど頻繁に新しく構築する必要のある業務や、修正が多く発生している業務だけ内製する、共通業務(経費精算や・給与などどこの会社でも発生する業務)はSaaSツールを活用する、複雑なシステム連携(基幹システム・ERP・CRM との接続)などは支援パートナーを活用するなど、全部を内製化することにこだわらない
③ 現場でローコード内製化をする人材を育成
- 顧客対応を担当する人がフォームを自分で直せる、営業が管理画面の改善案を実装するなど、現場の気付きがすぐ反映できる環境をつくる
④ 失敗から学ぶ文化
- 小さな失敗は許容し、成功より“継続して改善する姿勢”を評価していく
成功のポイントは短いサイクルで“作る→試す→直す”を繰り返していくこと。全部が難しいと感じたら一部だけ内製化してあとは外注にするなどを検討すること、そして重要なのは内製化できる人材の育成ですね。
あとはチャレンジするのみ!ね…。
オホンオホン!ここからは、私からローコード内製化の成功事例を紹介いたします。
株式会社ダイフク様の成功事例のポイント
ダイフク様では多言語対応の問い合わせ管理システムを当社のローコード開発プラットフォームSPIRAL®を使って内製しています。内製化で問い合わせフォーム作成をすすめるにあたり、“SPIRAL® 利用に関するトレーニングを社内で実施して内製の幅を拡げ、システムの構築を進めました。”とのことです。
なるほど。まずは最初にトレーニングすることで、内製化できる人材をしっかりと育成したんだね。
また下記のコメントもいただいています。
ダイフク様からのコメント抜粋
“複雑な条件でのアラート通知など、実装が難しい機能もサポートを受けつつ内製できました。自分で手を動かして開発したことで、システムそのものに対する知識が深められたので、改善施策の検討や実装に対するハードルが大きく下がりました。今では要件定義から実装まで自走できるようになったこともあり、社内で挙がる要望に対しても、認識のずれを抑えつつスピード感を持って対応できています。”
システムへの知識も深まり要件定義から実装まで自走できる。要望にもスピード感をもって対応できている…。まさにこれが目指すべきローコード内製化のメリットだね。
成功企業に共通する特徴
最後にローコード内製化に成功している企業の共通点をお伝えします。オホン!
- 現場でシステム・アプリを作れる“教育設計”がある
- IT部門が“禁止”から“支援”へ役割転換
- 必要に応じて内製化支援サービスを併用
まずは内製化できる人材の育成が重要です。社内で教育体制が整えられる場合はもちろん、難しい場合は利用するプラットフォームの“内製化支援サービス”を使うなどの方法もあります。またIT部門もプロフェッショナルな手腕を生かして支援しながら見守る、ということがローコード内製化に成功する共通点です!!オホン!
ふ~む。今回のローコード内製化についてまとめると、顧客接点部分を早く、柔軟に改善できる企業が、企業の付加価値を高めて、これからのDXを制するということかな…。ローコード内製化は、そのための強力な選択肢になるってことね。2人とも今回もありがとう! あとでポイントをしっかりまとめて調査報告書を提出してね!

というわけで、11月のテーマは“ローコード内製化”についてでした。IT部門以外での内製でのシステム導入はハードルが高いと思っていたけど、やってみるとそうでもなかった、思った以上に便利、という声も多いので、ぜひ多くの企業で取り入れてほしいな。
参考事例・サービス
(※本コンテンツの登場人物、部署等はフィクションです。)