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CMS連携 会員サイト構築

PowerCMSで会員サイトを作る方法|メリット、セキュリティ面、ワークフローも解説

掲載日:2021年8月16日更新日:2024年2月21日

PowerCMSとは、運用とカスタマイズ性に優れたCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。豊富な導入実績があり、さまざまな機能を有しています。プログラミングができない方でも会員サイトを作成でき、管理者の負担が軽いのが特徴です。今回の記事ではPowerCMSで利用できる機能やセキュリティ面などについて解説していきます。

PowerCMSとは

PowerCMSとは

「PowerCMS」とは元は「Movable Type」のプラグインとして開発され、その後独立したCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。

現在はWordPressのように、ユーザーのリクエストに応じてページを表示させる動的ページ出力のCMSが増えていますが、PowerCMSは静的ページ出力が可能です。データベースを介さずにページを表示できるため、動的ページ出力に比べて表示が速く、サーバー負担が軽いメリットがあります。

PowerCMSは静的ページを出力できる他のCMSに比べ安価で、必要な機能だけをオプションで追加することも可能なため、管理者が使いやすいCMSをリーズナブルに利用できます。

PowerCMSで利用できる機能

PowerCMSにはWebサイトを構築、運用するための便利な機能が多数搭載されています。カスタマイズ性が高く、ユーザーが運用しやすくなる機能が充実しています。

1.リッチテキストエディタとドラッグ&ドロップ

PowerCMSの「リッチテキストエディタ」は、高機能なWYSIWYGエディタを内蔵しています。製作するサイトに本文や追記欄、カスタムフィールドやカスタムオブジェクトなどの多くの入力欄を設定できます。Wordのようにテーブル(表組)や見出し作成、文章装飾ができ、Excelからコピー&ペーストで簡単に表を持ってこられます。

また、パソコンのローカル環境に保存してあるファイルや画像をPowerCMSにドラッグ&ドロップするだけでアップロードできます。作成中の記事への画像やリンクの挿入も、サイドバーからドラッグ&ドロップをするだけです。

2.グルーピングとソート

PowerCMSはブログやWebページ、フォルダとカテゴリ、記事やリンクなどのオブジェクトをグループ化して管理できます。グループ化はドラッグ&ドロップで簡単にでき、ブロックタグ「MTItemGroupEntries」ですぐに取り出せます。

Webページや記事を新規追加したとき、指定条件を満たしていればグループの末尾に自動登録できます。条件はカテゴリのほかにタグ指定もできるため、Webページと記事のどちらであっても同じグループに追加できるようになります。

3.インポートとエクスポート

PowerCMSではWebページや記事、フォルダとカテゴリ、カスタムフィールドやユーザーなどのCSVやTSV(Tab Separated Value)をインポートできます。データ投入のためのマスタはExcelやLibreOffice、OpenOfficeで作成でき、カスタムフィールドを含んだ記事や階層のあるカテゴリの一括登録もできます。

また、PowerCMSで作成したWebページや記事、テンプレートなどのデータは独自形式でもエクスポートとインポートが可能です。

4.投稿画面カスタマイズ

PowerCMSの「カスタムフィールド Pro」は、出力するページに合わせた投稿画面をプログラミングせずに作れる機能です。管理画面にWebページに表示させるレイアウトに近い投稿インターフェイスを用意できるので、投稿画面がわかりやすく、使い勝手が良くなります。

「カスタムフィールド Pro」で出力ページに合った投稿フォームを作成しておき、Webページやブログ記事の作成時に必要な入力フィールドのセットを「ひな形」に登録しておけば、一定品質のコンテンツを簡単に増やせます。

5.エンタープライズ・サーチ

PowerCMSの「エンタープライズ・サーチ」には、インデックス型の全文検索エンジン「Hyper Estraier」を用いています。フリーソフトウェアである「Hyper Estraier」はWindowsやMac OS Xなどで動作し、多くの文書のインデックスを短時間で作成かつ高速で検索できるようにします。

「エンタープライズ・サーチ」は定期的にブログの更新ファイルをインデックス化し、画像や添付ファイルを登録した時もインデックスを更新します。検索対象はHTMLページだけでなく、WordやExcel、PowerPointのファイル、PDFも可能です。

6.ダイナミックMTMLとマルチデバイス、アクセシビリティ対応

「ダイナミック MTML(DynamicMTML)」は、PowerCMSで管理するコンテンツに加えて外部のAPIやデータベースからコンテンツを取得できます。また、パソコンとスマートフォン、携帯3キャリアのマルチデバイステンプレートも搭載されているので、1つのソースだけで端末ごとの振り分け処理が可能です。

同梱されている「PowerCMS 8341」は、WebサイトのJIS X 8341-3適合を支援するツールです。PowerCMSで作成、運用しているWebサイトがJIS X 8341-3規格に適合しているかを判定し、改修をサポートしてくれます。サイト内文章の文法チェックや、APIを用いた画像解析と代替テキストの提案も参照できるので、Webサイトのアクセシビリティ向上に役立ちます。

PowerCMSソフトウェア版のエディション別機能比較

PowerCMSのソフトウェア版には、4つのエディションがあります。

「スタンダード」は商用CMSとしての基本的な機能を提供するもので、「プロフェッショナル」はスタンダード版に加え、ステージングサーバー連携機能に対応しています。会員サイトや汎用フォームの作成と管理、メールマガジンの配信などコミュニティ機能が充実し、Web CRMとしても活用できます。

「エンタープライズ」はPowerCMSのすべての機能を利用できる上位版で、既存HTMLの一括インポートやリモートバックアップ、WordやPDFファイルも対象の検索機能をオプションなしに利用できます。「アドバンスト」はマルチサーバーライセンスであり、Microsoft SQL ServerやOracleデータベースなどの商用データベースにも対応。社内システムと連携させ、大規模な運用環境を実現できます。

PowerCMSのノウハウを活かした「PowerCMS X」

「PowerCMS X」はPowerCMSのノウハウはそのままに、一から設計し直されたCMSです。PHP言語で開発されていてPowerCMSよりも約20倍の高速動作、先進的な機能を有しています。

高機能にもかかわらず、初めてでもわかりやすい管理画面が構築できるので楽に運用できます。コンテンツが増え続ける企業サイトや、メディアサイトにも十分に対応可能です。

PowerCMSのクラウド版「PowerCMSクラウド」

「PowerCMSクラウド」は、クラウド環境「Microsoft Azure Virtual Machines」上に構築されているPowerCMSです。すでにライセンス出荷数は2,000以上で、企業や自治体、大学や金融機関、ショッピングサイトなどで利用されています。

セキュリティアップデートとバックアップが毎日自動で実行され、24時間体制で常に有人監視されています。クラウド版もパッケージ版同様にすべての機能が利用でき、サポートも受けられます。

会員サイトもPowerCMSで構築可能

会員サイトをPowerCMSで構築することは十分に可能です。会員サイト用のテーマを選択すれば、すぐにWebサイトが開設できますし、テンプレートタグを使うことで会員のログイン状態に合わせて表示させる情報、ページ要素などを切り替えられます。

会員アカウントを作成する際に確認メールのURLをクリックしてもらい、なおかつ管理者の承認を必要とするよう設定できます。PowerCMSで作成した会員サイトは、スマートフォンや携帯電話を使ったクイックログインにも対応可能です。

PowerCMSを活用するメリット

PowerCMSを活用するメリット

PowerCMSは他のCMSからの移行がスムーズにでき、ノウハウを活かすこともできます。サイト制作者は手厚いサポートを受けられ、運用者はWebサイトに詳しくなくても簡単にサイト運用ができるでしょう。

サイト制作者にとってのメリット

PowerCMSでは管理画面をプログラミングなしにカスタマイズできますし、他のCMSでのノウハウを活かせるメリットもあります。データの一括インポートが可能なので、中〜大規模サイトのリニューアルのコストを削減できるでしょう。サポート体制が充実しているので、初めての方でもWebサイトを十分に構築できます。

PowerCMSで作成したサイトを運用するメリット

PowerCMSの理解しやすい管理画面のおかげで、運用する人が事前に学習する手間と時間を削減できます。Webサイト内の細かい修正ならWeb制作会社などに依頼せずとも、運用者が自ら行えるでしょう。

静的ページを出力してテスト環境で運用できるため、制作したWebサイトを十分に試したり確認をとったりしてから本番環境に適用でき、運用リスクを抑えられます。

PowerCMSのセキュリティ対策は安全?

PowerCMSのセキュリティ対策は安全?

PowerCMSにはセキュリティ対策のための機能が搭載されており、アップデートも必要に応じて配布されます。PowerCMS XではPowerCMS以上のセキュリティ対策を、PowerCMSクラウドではMicrosoft Azureのセキュリティ対策を利用できます。

PowerCMSのセキュリティ対策

PowerCMSでは、定期的にセキュリティアップデートを配布しています。また、サインインに連続失敗しているIPアドレスからのサインインを拒否する、管理者の設定期間以上パスワード変更をしていない運用者に対し、変更を促す表示をするなどの機能もあります。

PowerCMS Xでできるセキュリティ設定

PowerCMS Xには管理画面への2段階認証や、設定した回数以上にログイン失敗した運用者をロックアウトする機能があります。また、管理者と運用者のIPアドレスを設定しておけば、それ以外のIPアドレスからは管理画面に入れないようにもできます。

PowerCMSクラウドは「Microsoft Azure」を利用

PowerCMSクラウドは、利用しているMicrosoft Azureのセキュリティ対策をそのまま使えます。Microsoft AzureはISO 27001やSOC 1とSOC 2、HIPAAなどの国際的なコンプライアンスと、日本のFISCなど国ごとのコンプライアンスに適合。データセンターには人工知能を用いたDDoSやDOS、IDSのサイバー攻撃対策機能があり、不正な通信データを自動で検知し、遮断してくれます。

合わせて読みたい記事「PowerCMSのセキュリティ性は高い?脆弱性や対策方法を紹介

PowerCMSの会員サイトでできること

ここではPowerCMSの会員サイトでできることを以下に紹介していきます。

会員サイト設定が簡単!

PowerCMSでは、会員専用のテーマを適用するだけで、簡単に会員サイトを作ることができます。
また会員のみが閲覧可能といったような制限を設けることが可能です。

ログイン・非ログインで表示分けが可能

PowerCMSでは、ログインユーザーと非ログインユーザーのサイト表示を分けることができます。
この機能により、会員になることのメリットがユーザーに明白となり、会員登録を促すことができるでしょう。

管理者の承認制を導入することもできる

基本的に会員サイトは、登録事項を入力すれば自動的に会員になることができますが、それを管理者の承認制にし、よりクローズドなサイトを構築することも可能です。

PowerCMSで会員サイトを作成する方法

PowerCMSで会員サイトを作成する方法

PowerCMSで会員サイトを構築するためには、パッケージ版ならプロフェッショナル以上のエディションを利用しましょう。さらに会員専用サイト設定調整代行サービスを利用すれば、会員サイトの構築と運用のためのサポートを受けられます。

会員サイトを構築できるPowerCMSの機能

PowerCMSのプロフェッショナルエディション以上では、会員サイトの作成に役立つ機能を利用できます。例えばログインやサインアップ、会員情報の修正やパスワードリセットのフォームと、会員サイトの利用者への通知メールのテンプレートが標準装備。会員サイト利用者の承認と退会機能も含まれています。

会員サイト専用テーマををインストールする

PowerCMSで会員サイトを構築するには、以下に挙げる会員サイト専用のテーマをインストールする必要があります。

・「PowerCMS Bootstrap ウェブサイト」
・「PowerCMS Bootstrap ブログ」
・「PowerCMS Eiger」
・「PowerCMS Rainier」

以上の中から、自社のサイトにあったテーマを選ぶことで会員サイトに必要な機能をインストールすることができます。
また会員サイト専用のテーマをインストールできたら、Webサイトを会員限定のものにするか一般公開するかを、全般設定から必要に応じて簡単に切り替えることができます。

会員専用サイト設定調整代行サービスを利用する

PowerCMSのオプションサービスの一つに、「会員専用サイト設定調整代行サービス」があります。会員サイトの構築と運用のための設定を代行してくれるもので、IDとパスワード制限をかけた会員サイトを希望される方向けです。

会員のログイン状態を判別して複数のコンテンツを切り替えたり、希望するデザインのユーザー登録やログイン画面を設定したりもできます。

圧倒的な柔軟性とセキュリティで思い通りの会員向けサイト・サービスを構築するなら

当社のご提供する 「会員管理・会員サイト構築ソリューション」は、会員向けのサイトやサービスに必要とな要素をワンストップで提供するシステムです。

会員データ管理からマイページ作成・ログインなどの基本機能から、メール配信やアンケート作成、問い合わせ、フォーム作成、決済連携まで、会員管理・運営に必要な機能が充実。また、金融機関・官公庁でも採用されている高いセキュリティで会員の大切なデータを管理します。WordPressやMovableTypeを始めとした各種CMSや基幹システム等とのAPI連携も可能です。

ファンクラブやユーザーサポートサイト、学会・協会サイト、申請受付サイト、キャンペーン受付サイト、イベント受付管理、入居者サイトなど様々な業界・用途・シーンで延べ11,000以上のご利用実績がございます。

サービスの詳細については「会員管理・会員サイト構築ソリューション」のページをご覧いただくか、サービス導入をご検討中の方はこちらからぜひお問い合わせください。

まとめ

PowerCMSは、カスタマイズ性の高さと運用のしやすさが魅力のCMSです。会員サイトを構築して運用するなら、パッケージ版のプロフェッショナル以上のエディションかクラウド版、PowerCMS Xのいずれかがよいでしょう。