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イベント受付システムとは|導入の必要性や構築時の手順や注意点

掲載日:2021年8月6日更新日:2024年2月21日

イベント受付システムは、セミナーやイベントの運営を効率的に進めるための各種サービスの提供を目的とするWeb上のシステムです。ここではその役割や保有すべき機能、導入のメリットについて解説します。また、具体的な導入手順と注意事項を説明します。

イベント受付管理システムとは?

イベント受付管理システムとは?

イベント受付システムの役割と機能を解説していきます。

イベント受付管理システムとその役割

イベント受付システムとは各種セミナーやイベントなどの申し込みから来場者の登録・管理や関連情報などの配信に至るイベントの実施全般を効率化するためのITシステムを指します。

各種団体が開催するセミナーや有名人や著名な団体が開催するコンサートなどで利用されており、有料と無料どちらもあります。

イベント受付システムを支える仕組みとして、来場者管理機能、EC機能、各種情報の配信機能、掲示板などによる情報交流機能などがあります。

イベント受付管理システムを支える機能

来場者管理機能はイベント受付システムの利用者に対して、申請内容に基づき利用IDを付与します。イベントの関係サイトの利用を許可するとともに、イベント当日のスムーズな入場をサポートします。

システム側では、入力された利用者情報をシステムに登録するとともに必要な権限を付与します。EC(Electric Commerce)は「電子商取引」のことを指します。ここではチケット購入料金や関連物品の購入時の決済処理のために利用されます。

イベント受付管理システム導入の必要性

イベント受付管理システム導入の必要性

イベント受付システムの導入によって期待できる点について解説していきます。

利用者情報を安全に管理

イベント受付システムの構築にあたり、システムの利用者の情報を安全に管理することが何より大切なことです。システムを導入せずとも利用者情報を管理することは可能です。紙ベースで管理台帳を作ったり、パソコンでローカルに管理ファイルを置いて管理したりする方法が考えられますが、利用者情報の登録だけではなく、随時、登録内容の変更、削除などが発生します。

これらを漏れなく、かつ間違いなく行うことは大変です。さらに紙ベースの管理では、情報の紛失や流出の可能性が残ります。

イベント受付システムにより利用者情報を一元的に管理し、強固なセキュリティ対策を施すことで、効率的で抜け漏れのない利用者情報の管理が実現できます。

利用者への各種情報の提供

イベント受付システムでは申込者に対して、日時のリマインドをや詳細な情報を送ることができます。申込からイベント開催までに日数がある場合は、リマインドメールを送ることで申込者がうっかりイベントを忘れて来場しない、というキャンセル率を下げることが期待できます

さらに、対象イベントの情報だけでなく、関連する情報を提供することで他のイベントの告知や、商品の紹介も可能です。

イベント受付管理システム導入のメリット

イベント受付管理システム導入のメリット

イベント受付システム導入の主なメリットを解説していきます。

利用者を限定するイベントの開催

イベント受付システムを利用することで、特定の利用者にのみ絞ってイベントへの参加を案内することが容易になります。たとえばある一定期間内に所定の金額以上の物品の購入やイベントチケットの購入した人に限定して、イベントへの招待をメールで配信します。参加の招待を受けた人に特別感を与え、主催者が実施する次のイベントへのリピーターとなる可能性が増加します。

効果的なイベントの準備と開催

イベントを開催する組織は、イベント受付システムの有する利用者情報管理機能により利用者の情報を一元管理できます。この情報を利用して主催者はイベントが終了するまで利用者に対して、参加費を請求、開催日時のリマインドメールの配信を行い、スムーズな運営が可能となります。他方で、利用者はイベント受付システムを活用してイベントに関連する各種情報を入手できます。

利用者の分析とマーケティング

利用者情報管理機能は利用者の個人情報の管理に加え、マーケティングのために使われます。利用者は、イベント受付システム内の各種情報へのアクセスや各種物品の購入を行います。これらの利用者の行動履歴を分析することにより、個々の利用者や利用者全体の嗜好やその傾向を分析し、分析結果をもとにして、利用者に新たなイベントや物品をレコメンドすることにつなげられます。また、主催者として、今後のイベントやセミナーの計画を立てる上で効果的なデータとなります。

イベント受付管理システムの基本機能

イベント受付管理システムの基本機能

イベント受付システムの基本的な機能について解説していきます。

利用者データ管理

利用者1人1人の氏名、住所、連絡先などの個人情報に加え、会員の嗜好に関わる情報を登録・管理します。たとえば利用者の当システム上におけるこれまでの閲覧履歴や購入履歴などの情報を活用しながら、利用者の好みの傾向を分析、把握し新たな提案や売り込みを行います。

マイページ

イベント受付システムを利用してイベントやセミナーへの利用者登録を行うことにより、全登録者に「マイページ」が与えられます。このページで登録者はチケットや物品を購入したり、これまでの購入履歴を確認したりできます。また、利用者毎の嗜好や過去の購入履歴に基づくレコメンド商品の提示なども行われ、好みの物品の購入を容易に行えるように工夫されています。

各種情報配信機能

各種情報配信機能は、利用者が登録を予約したイベントのリマインド情報の配信や、関連する情報の配信に加え、サイトの主催者が計画する今後のイベントやセミナーなどの関連情報を配信する機能です。関連情報の配信にあたっては、あらかじめ把握している利用者の好みや過去の利用状況を踏まえこれにヒットするコンテンツを配信します。

イベント受付管理システムを構築する際の手順

イベント受付システムを構築する際の手順をコンセプト、要件定義、設計・開発、コンテンツの登録、テストのプロセスに分けて解説していきます。

コンセプトと要件定義

イベント受付システムをどのような目的で構築したいか、ベースとなる方針を固めるとことから始める必要があります。これがシステムを構築するためのコンセプト作りです。主要な関係者が集まり協議してコンセプトを固めていく必要があります。コンセプト作りは、結論も大切ですが、議論の過程も非常に大切です。議論の過程で共有したいろいろな立場の関係者の考え方を共有することにより、関係者のベクトルは同じ方向に集約されると共に、システム作りに対する求心力は高まっていきます。

議論の結果、集約されたコンセプトを踏まえ、コンセプトを具現化させるためにどのような機能を持たせるか、さらに機能ごとの操作方法やロジック、画面遷移を含めシステムとして必要な機能要件を要件定義書としてまとめていきます。

設計・開発

要件定義書としてまとめられた設計・開発の入力ドキュメントを踏まえ、設計を進めるための方針を固めます。まずは大方針としてクラウド型ソリューションを選択するか、オンプレミス型開発を進めるかの方針を決めます。

クラウド型ソリューション

クラウド型ソリューションは、サービスを提供するベンダーからさまざまな特徴を持ったソリューションの中から、自社のシステム構築に最も適していると考えられるものを選び出して採用する方法です。ソリューションの特徴や機能、市場における実績、投資金額などから総合的に判断して特定のソリューションを選択します。ソリューションを選択すれば、必要なオプションの選択、パラメータの設定などを行うことで比較的スピーディーにリリースまで進めることができるでしょう。但し、ベンダーの提供するソリューションであるため、自社独自の仕様へのカスタマイズは基本的に困難であると認識する必要があります。提供されたソリューションを使うアプローチです。

オンプレミス型開発

オンプレミス型開発の場合は、自社でサーバーを用意し、そのうえにアプリケーションを載せることによりシステムを構築する考え方です。自社でサーバーを準備しなければならないため、サーバー構築技術とそのための対応工数がなければできません。しかし、自社でシステムを構築することから、自社の都合に合わせ、自社の仕様にできるだけ沿ったシステムの構築が可能です。

また、オンプレミス型開発の場合、サーバー上のアプリの調達に関しても2つの選択肢があります。ベンダーの提供するパッケージソフトを購入してサーバーにインストールする方法と、自社で一から開発する方法です。

パッケージソフトは自由度が少ないかわりに比較的早期に稼働が可能です。自社開発の場合、開発を行うためのスキルと開発工数ならびに期間が必要ですが、自社でやりたいことの多くを実現できる可能性が高くなるメリットがあります。いずれの方法のメリットを採用して進めるかの判断を行う必要があります。

コンテンツの登録

設計・開発完了後、システムのテストに向けてコンテンツの登録を行います。利用者情報や各種イベント情報および関連する画像データなど、システムを稼働する上で必要となるすべてのデータを集めて、これをシステムに登録します。

テスト

開発・設計を完了したシステムが期待する動作を行うことを検証することがテストの目的です。システムに搭載されているユーザー用の機能に加え、これを支えるバックヤード側の機能を含め全機能の動作確認を繰り返し行います。普通の操作では何ら問題が発生せずとも、何らかの条件が変わったり、加わったりするだけで期待する動作ができなくなるようなことがあります。

システムは稼働しているすべての期間において、あらゆる動作条件下で常に安定した動作を求められます。このために、できる限り多くのテスターにより、さまざまな視点から、すべての機能を繰り返しテストし、問題が発覚した場合は設計側にフィードバックします。

設計側では、フィードバックされた不具合を精査し、それが、確かに課題であることを認識した上で、改修作業を行います。以上の作業を特定の期間内において発生したすべての問題点が解決されるまで継続します。すべての問題点が解決されると、システムの利用者に対して、メールなどの手段を使いシステムリリースの案内を行います。

イベント受付管理システム構築時の注意点

イベント受付管理システム構築時の注意点

イベント受付システム構築時の主な注意点について解説していきます。

事前の準備とセキュリティ対策

システムの構築に当たっては、特に初期段階、つまり設計・開発の最も上流工程における検討が重要です。上流工程におけるコンセプト作りなどの作業をないがしろにすると、後半の工程で手戻りが発生する可能性が大きくなるからです。中途半端なコンセプトに基づき、機能が決められ、実装方法が決められ開発作業を進めていった結果、実際にテストしてみるとやはり根本的にやり直しが必要であるといった事態に陥るケースがあります。

これは、上流の検討過程で、関係者が納得のうえで、次の設計プロセスに進めることをしなかったために起こりえることです。以上のことからの関係者が十分に議論を尽くし、上流工程におけるコンセプトや機能要件固めを行ったうえで、設計プロセスに進めるべきです。

事前の準備と同様に大切なのがセキュリティ対策です。イベント受付システムでは利用者の個人情報やクレジットカードの情報などを取り扱います。悪意ある第三者にこれらの情報が盗まれるような事態が発生した場合、会社としての信用問題にまで発展する可能性があります。この様な事態を回避するために、外からの攻撃への防御に加え、内部情報の漏洩に対しては徹底した対策を講じる必要があります。

使いやすいサイトデザイン

サイトの設計にあたっては利用者視点に立って、利用しやすいサイトのデザインに心がけなければなりません。探した情報にすぐにたどり着くことができる、操作が直感的でわかりやすい、画面のデザインや色使いが洗練されているなどの視点での作りこみをすすめましょう。これらのサイトの使い勝手の良し悪しが主催者のイベントやセミナーの利用者数の増減に影響を与えます。

構想や設計段階で考えていたデザインや使い勝手は、実際に動かしてみると必ずしも、イメージしていた通りとは限りません。このような状況を想定し、テスト段階でテスターに協力を仰ぐ方法が考えられます。彼らは、システムの不具合を指摘するのが主たるミッションですが、ユーザー視点からみたシステムのことを一番知っている人たちです。

従って、不具合の洗い出しと同時に、「ここのところはこうすべき」といった改善点の提案もあわせて依頼するのです。さまざまな指摘が上がってくるはずです。これらを1点ずつ精査し対応方針を決めていくことで、システムの使い勝手は向上していくでしょう。

改変が容易なシステム

システムのリリースが完了するとそれでシステムの開発は完了したと思いがちですが、実際には違います。リリースされたシステムに対して、システムの利用者からさまざまな意見、要望、指摘などがフィードバックされます。不具合に関する指摘への対処はもちろん、要望や意見については、それぞれの重要性に鑑み優先順位をつけながら対応方針を決めたうえで対応していく必要があります。

これらの作業を1件1件、積み上げていくことにより、システムの完成度が上がると共に利用者の満足度も向上し、長く使ってもらえるシステムに成長していきます。そのためには、あらかじめ改変が必要であるとの認識に立った設計を行っておく必要があります。

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まとめ

イベント受付システムシステムの導入にあたっては、「どんな目的で、どのようなシステムを作るのか」の最も根幹となるところをしっかりと固めた上で具体的な検討を行いましょう。

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