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ARTICLE二段階認証の効果とは?導入のメリット・デメリットを解説
不正ログイン・不正アクセス予防のために様々なWebサービスで二段階認証を採用するケースが増えています。二段階認証の導入によって、どのような効果が期待できるのでしょうか。この記事では二段階認証のメリット・デメリットについて解説します。
目次
二段階認証とは

二段階認証とは、「2回認証を求められる」セキュリティが強化された認証の仕組みです。IDやパスワードだけでは流出によるなりすましのリスクが高いことから、二段階認証を導入するWebサービスが増えています。では、二段階認証はどのような場面で利用されているのでしょうか。
2回認証を行うこと
二段階認証は複数の本人確認を組み合わせて2回認証を行います。パスワードや秘密の質問などの知識情報やスマホやキャッシュカードなどの所有情報、指紋や虹彩などの生体認証から2つを組み合わせたり、ワンタイムパスワードの導入や電話番号などに認証コードを送ったりすることで本人確認を行います。
二段階認証の利用シーン
不正ログインやアカウントの乗っ取りなどの被害に合った際、金銭に関わる情報や個人情報を不正使用されると被害が拡大する恐れがあります。そのため、インターネットバンキングやSNSといったサービスでは二段階認証を採用しています。最近では課金が発生するゲームが増えてきているため、ゲームアカウントでも二段階認証を求められることがあります。
関連記事:二段階認証とは|仕組みやメリット、注意点などを徹底的に解説
二段階認証の必要性

二段階認証がなぜ必要なのか、理由についてみていきましょう。
セキュリティ面が高まる
二段階認証を設定すれば、セキュリティ面が格段に高まります。たとえ悪意ある第三者がIDとパスワードを入手してもログインすることは難しくなるでしょう。
現在は「子どもがIDとパスワードを盗み見て親のカード情報を手に入れ、高額な課金をしてしまった」という問題が後を絶ちません。二段階認証を設定していればそのような問題も防ぐことが可能です。
万が一IDとパスワードが流出しても安心
ログインに使われるIDとパスワードは本人以外にWebサイトを運営・管理している企業も管理しています。本人が厳重にIDやパスワードを管理していても、企業が外部から攻撃を受けてこれらの情報が流出する危険性もあります。特に、銀行などお金が関わるサイトは攻撃される危険性が高くなります。
しかし、二段階認証を設定していれば、たとえIDとパスワードが流出してもセキュリティを突破される危険性は低くなるでしょう。二段階認証に用いられる電話番号やワンタイムパスワード、指紋認証などはどれも第三者は入手しにくいものばかりです。
二段階認証のメリットとは

ウィルス攻撃やパスワードクラック、不正なWebサイトに誘導してIDとパスワードを入力させるなど、情報を不正入手する手段は年々進化しています。二段階認証を導入することで、より強固なセキュリティを構築できます。
不正ログインの予防
二段階認証では複数の認証方法を組み合わせるため、IDやパスワードなどの第一認証が突破されたとしても第二の認証で不正ログインを防止できます。特に身体的特徴を認証材料として利用する生体認証は、第三者への流出リスクが低いため採用されることが多い認証方法です。二段階認証は、個人情報や企業情報の漏洩リスクを回避するために有効な手段だといえます。
アカウントの乗っ取り対策に有効
犯罪者に不正ログインを許してしまうと、個人情報や金銭情報が保管されているアカウントを乗っ取られる危険性があります。アカウントを乗っ取られてしまうと、個人情報の流出やクレジットカードの不正利用などに繋がり被害が拡大する恐れがあるのです。二段階認証では不正ログインを防止し、アカウントの乗っ取りを防ぐ効果が期待できます。
パスワード認証の脆弱性をカバー
パスワード認証には2つの問題点があります。1つ目は長く複雑なパスワードを設定しないと短時間で解読されてしまうこと、2つ目はパスワードの管理が適切でないとパスワードが流出してしまうことです。現在使われているコンピュータ性能は、8文字程度の英字パスワードであれば短時間で解読できるといった報告があります。また、パスワードが覚えられないという理由から、メモに書き留めたり共有PCに保存したりすることでパスワードが流出しやすく、わざわざ複雑なパスワードを設定しても意味がなくなってしまうのです。二段階認証では、こうしたパスワード認証の問題点をカバーすることが可能です。
二段階認証のデメリットとは

認証を二段階に分けることで不正ログインを防ぐ効果が期待できますが、機種変更やユーザーへの手間がかかる点がデメリットとして挙げられます。また、フィッシング詐欺には対応できないため、ユーザー自身が偽サイトに認証情報を入力してしまうこともリスクとしてあります。
携帯電話の機種変更でログインできなくなることがある
アプリを携帯電話にインストールしている場合、紛失や盗難はもちろん機種変更の際にもログインできなくなる可能性があります。機種変更の際は、機種変更の前に二段階認証をいったん解除したうえで、新機種で再度二段階認証を設定しなければなりません。
ユーザー側に手間がかかってしまう
ユーザーにとっては、これまで1回で終わっていた認証が2回に増えることに煩わしさを感じる人もいるようです。機密情報を強固に管理するために必要な機能とはいえ、ユーザーに手間をかけてしまうことで顧客離れに繋がる可能性も少なくありません。
フィッシング詐欺などに対応できない
フィッシング詐欺とは、スパムメールなどによって利用者を偽サイトに誘導して機密情報を不正入手する手法のことです。「アカウント情報を変更してください」などの巧みな文章で利用者にメールを配信し、本物そっくりに作られたサイトで情報を入力させる手口が増えています。利用者が認証情報を入力してしまった場合、二段階認証に必要な情報を犯罪者に渡してしまうことになるのです。
二段階認証の種類

ここでは、現在使われている二段階認証の種類を解説します。どのようなものが二段階認証に用いられているのでしょうか?
知識認証
知識認証とは、「好きな食べ物は」「ペットの名前は」といった自分しか知らない情報を記入するスタイルです。メールアドレスとIDを両方忘れてしまった場合に再設定したいときなどにも用いられる認証方法です。この方法は、なかなか忘れない知識をパスワードに定めているので、忘れる心配が少ないのがメリットです。
その一方で、親しい人やブログ、SNSからの情報で推測がしやすいというデメリットもあります。また、質問が多岐にわたりすぎると管理が大変です。そのため、二段階認証としてはセキュリティが低めとなっています。
生体認証
生体認証とは、指紋・顔・瞳の虹彩を使った認証方法です。iPhoneでは指紋認証、顔認証がすでに登載されているので、使ったことがある方も多いことでしょう。本人以外ロックが解除できないので極めてセキュリティレベルが高い方法として、金融機関でも用いられています。
所有物認証
所有物認証とは、電話番号などにURLやパスワードなどを送る方法です。二段階認証としていろいろなところに用いられている最もポピュラーな方法です。これをもちいれば、二段階認証もかんたんに行えるでしょう。ただし、スマホなど所有物認証に用いているものをなくしたり奪われたりした場合、自分でもログインが不可になってしまいます。そのため、あらかじめもし所有物認証ができなくなった場合の対処方法を考えておくことが必要です。
二段階認証をしておいた方がよいサービス

ここでは、二段階認証を設定しておいた方が安心のサービスを紹介します。二段階認証は面倒くさいと思っている方も、ここで紹介したサービスには設定しておいたほうがいいでしょう。
メール
Yahoo!メールやgmailなど、フリーで使えるクラウド型のメールサービスはとても便利です。使っている方も多いことでしょう。メールサービスは、ぜひ二段階認証をしておきましょう。メールアドレスは、IDにもよく使われます。サービスを利用する際も、メールアドレスの入力が必須のところも多いものです。
つまり、メールサービスの情報が流出すれば、どんなサービスを使っているかすぐに分かってしまいます。このほか、社外秘のビジネスメールや添付ファイルなど盗まれてしまう可能性があるでしょう。二段階認証を設定することでセキュリティレベルを高めておいてください。
サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービス(以下サブスク)は、定額で一定のサービスを使いたい放題で利用できる便利なサイトです。年々利用者が増えており、いくつものサブスクに加入している方も多いことでしょう。サブスクのIDとパスワードが流出してアカウントが乗っ取られてしまえば、もうサブスクは使えなくなります。パスワードとIDを変更できればいいのですが、できない場合は一旦サービスを退会するしかありません。
サブスクサイトの中には長期間利用した方に優遇サービスを付けているところや、ポイントがためられるようになっているところもあります。退会すればすべて無効となってしまうので、ダメージは大きいでしょう。二段階認証を設けて、アカウントを乗っ取られないように注意しましょう。
ショッピングサイト
Amazonや楽天に代表されるショッピングサイトは扱っている品数も多くとても便利です。そして、ショッピングサイトは個人情報の塊です。住所氏名はもちろんのこと、クレジットカードと紐付けされているという方も多いことでしょう。つまり、アカウントが乗っ取られればクレジットカードも使えなくなる可能性が出てきます。
また、ショッピングサイトによっては高額で換金性の高い品物も扱っているため、数十分でもアカウントを乗っ取られれば百万円単位の被害がでることも珍しくありません。ショッピングサイトは二段階認証を設け、セキュリティを高くしておきましょう。また、ほとんど使わないサイトは退会しておくとより安全性が高まります。
パスワードの管理はしっかりすること

二段階認証を定めたら、パスワードの管理は厳重にしておくことが大切です。ここでは、その理由を紹介します。
設定方法によってはログインが不可になるため
知識認証や所有物認証の種類によっては、万が一パスワードを忘れてしまえばログインが延々に不可能になることもあります。所有物認証はパスワードを覚えておく必要はありませんが、紛失に注意しましょう。特に、スマホはそれ自体が情報の塊なので、紛失すると大変なことになります。スマホ自体に生体認証をかけ、ほかのところは所有物認証にしておくなどすれば、安全性が高まります。万が一に備えて二段階認証がはじかれてしまったときの対策方法は調べておきましょう。
二段階認証の方法が流出すれば意味がなくなるため
知識認証や所有物認証は二段階認証の情報や方法が流出する可能性があります。スマホを所有物認証のアイテムとしている場合、机の上に置いておいたうちに情報を抜き取られることもあるでしょう。
また、指紋認証も将来的に突破される可能性がゼロではありません。ですから、自分が利用しているサイトがどんな二段階認証を行っているかは秘密にしておきましょう。何万人も利用者がいるサイトでも同様です。
二段階認証の安全性は問題ないのか?セキュリティ観点での詳細を解説
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ログイン認証機能では、通常のID・パスワードを使った認証に加えて、スマートフォンアプリ・メール・SMSなどを用いた二段階認証、指紋や虹彩等の生体情報を利用したFIDO認証(Fast IDentity Online)など、強固な認証にも対応しています。
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まとめ
二段階認証とは、複数の本人確認を組み合わせることでセキュリティを強化する方法です。IDやパスワードなどの第一認証が突破されたとしても、さらにもう一つの認証によって不正ログインを未然に防ぎます。
個人情報や金銭情報を取り扱うサービスで多く導入されていますが、フィッシング詐欺には対応できていないなどのデメリットがあるため、一人ひとりがセキュリティへの意識を高めていくことも求められています。また、情報がお金になる時代、セキュリティは高いほど安心です。
個人情報を多く含み、金銭のやりとりが発生するサイトは、ぜひ二段階認証を導入しましょう。

