導入事例

CUSTOMERS

SPIRAL®の「継続的顧客管理システム」で実現する、現場の負担軽減と顧客接点の最適化

蒲郡信用金庫

業務内容
一般金融業務
使用サービス
SPIRAL® ver.1
URL
https://www.gamashin.com/
代表者
理事長 岡本聡哉
本社
愛知県蒲郡市神明町4-25
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課題
継続的顧客管理に係る法人顧客への情報確認が、顧客と庫内の両者で手間と費用が掛かる状態。回答率向上のためには「お客様に負担なく回答いただくこと」が必要だった
解決策
「継続的顧客管理システム」を構築し、Web上で情報確認ができるように。一連を一気にシステム化するのではなく、顧客の性質や庫内の業務フローなどを考慮して慎重に運用設計をおこなった
効果
現場は混乱もなく、良いペースで順調に回答を収集中。業務負担軽減と郵送費削減も見込まれ、今後は個人顧客への展開も視野に

インタビュー

INTERVIEW

愛知県と静岡県下に44店舗を展開し、地元企業の資金面を支える蒲郡信用金庫様。同庫では、マネー・ローンダリング対策のための独立した部署を設立し、各種対策を実施しています。その一つに、顧客の属性情報や口座の利用状況を定期的に確認する継続的顧客管理という取り組みがあります。従来は、封書で回答用紙を送付し、お客様に回答・返送してもらう形式を取っていましたが、返送率が低いことや、お客様と庫内それぞれで対応負荷が高いことなどが課題となっていました。そこで、同庫はSPIRAL®で「継続的顧客管理システム」を構築。お客様がWeb上で回答ができる運用フローを確立し、課題解決を図られました。今回は、本システム導入の背景や現在の運用状況について、マネー・ローンダリング対策部の近藤憲様にお話を伺いました。


継続的顧客管理に係る法人顧客への情報確認が、顧客と庫内の両者で手間と費用が掛かる状態。回答率向上のためには「お客様に負担なく回答いただくこと」が必要だった

システム導入以前に抱えていた課題を教えてください。

継続的顧客管理は、2018年から金融庁の主導で始まった「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の取り組みの一つです。これは、お取引のあるお客様に対して定期的に属性情報の確認を求めるものです。

これまで法人のお客様に対しては、我々から回答用紙を封書でお送りし、お客様には手書きでご回答いただき、それを返送いただくという流れで確認をおこなっていました。併せて、正確な情報確認のために履歴事項証明書の取得・同封もお願いしていました。こうした封書でのやり取りは、どうしても双方で手間と費用がかかります。それゆえに、回答の返送率は約40%と低迷している状況でした。回答率向上のためには、とにかく少しでも「お客様に負担なく回答いただくこと」が必要で、そのために運用を改善する必要があると考えていました。

他に課題に感じていたことはありますか?

庫内の本部では、返送されてきた回答用紙をスキャナで読み取り、電子帳票化システムに登録する作業に加え、営業店に対して個別に指示書を作成するという作業があります。例えば、お客様の会社が移転して住所が変わっていたり、本人確認が完了していない方から回答が来たりなど、そうした場合には営業店からお客様へ連絡し、変更届を出していただいたり、来店していただいたり、状況に応じて必要な対応を促してもらう必要があるのです。また、お客様から返送が無い場合には、必要に応じ営業店からお客様のもとへ直接訪問してヒアリングをしてもらうケースもあります。こうした指示書の作成に、1通当たり30~40分はかかっていました。我々本部はもちろん、この指示に対応する営業店の職員への負担も気になっていました。

「継続的顧客管理システム」を構築し、Web上で情報確認ができるように。一連を一気にシステム化するのではなく、顧客の性質や庫内の業務フローなどを考慮して慎重に運用設計をおこなった

今回構築した「継続的顧客管理システム」について教えてください。

今回は法人のお客様向けに、継続的顧客管理に必要な属性情報の確認をWeb上でおこなえる仕組みを構築しました。顧客情報と回答情報を管理するデータベース、および顧客専用の認証ページとアンケート回答フォームで構成されたシンプルなシステムです。

はじめに、SPIRAL®のデータベースに顧客リストをインポートします。すると、法人ごとに確認番号が発番されるようになっています。この確認番号と、当庫内で割り振っている顧客番号を合わせてDM発送リストとしてまとめます。従前からお世話になっている印刷会社の小林クリエイト株式会社様にて、ハガキに確認番号、顧客番号、認証ページへアクセスするための二次元コードを印刷していただき、お客様へ郵送します。お客様は確認番号と顧客番号をもってメールアドレスを登録(初回回答時のみ)。ワンタイムパスワードでの認証を経てアンケートフォームからご回答いただく、という流れになっています。

SPIRAL®をもってすれば、ハガキでおこなっているお客様へのご案内についてもWeb上で対応できる部分かもしれません。しかし、我々の業界やお客様の性質上、こうした情報のやり取りをメールでおこなうことにはやや抵抗感があり、浸透していないのが実情です。予めお客様のメールアドレスを把握できていないケースも多いため、原始的ではありますがハガキでの対応が一番良いという結論に至り、あえてこうした流れにしました。



蒲郡信用金庫 フロー図

SPIRAL®での構築を選んだ理由を教えてください。

第一に、信頼できる会社にお願いしたかったからです。当庫では、別の部署ですでにスパイラルさんと取引を進めており、信頼と実績がありました。また、セキュリティが高く、かつ費用も安く抑えられる会社はあまり多くないなかで、スパイラルさんはそのバランスが良かったのもポイントです。もちろん、営業や制作の方々が非常に真摯に対応してくださったことも大きいですね。

現場は混乱もなく、良いペースで順調に回答を収集中。業務負担軽減と郵送費削減も見込まれ、今後は個人顧客への展開も視野に

「継続的顧客管理システム」導入後の状況はいかがでしょうか?

まず、システムの導入に伴っていくつか運用を見直したことがあります。1つが履歴事項証明書の提出を不要としたことです。提出いただくことが望ましいのはもちろんですが、必須書類として決められているわけではないため、お客様の申告を信用する柔軟な対応方針に切り替えました。もう1つが回答の収集を段階的にしたことです。以前は法人のお客様すべてに一気に送付していたので、回答も同時期に殺到し、当庫内の事務処理が集中して膨大になるという大変な状況でした。今回初めてシステムを導入するということもあり、まずは一部のお客様を対象にして実施している状況です。お客様ごとに発送時期を分けることで、システム運用の様子を見つつ、事務処理の負担も分散させる形にしています。

現時点で、回答期限までまだ2カ月ほど期間があるため、どの程度回答率がアップしたかなど具体的な効果はみえていません。ただ、すでに3割近くのお客様から回答を得ており、従来(最終的に4割程度)と比べると、いいペースだと感じています。この継続的顧客管理という取り組みが始まると同時にコールセンターも設置していますが、今回から回答形式が変わったことに対し今のところお問い合わせもなく、いいスタートダッシュが切れたと思っています。

また、これまで封書だった部分がハガキに置き換わったこと、加えて往復で必要だった郵送対応が片道で済むようになったことで、郵送費は確実に抑えられる想定です。さらに、Web上での入力にしたことで全体的に回答内容の精度が高まっていると感じます。回答不備が減ると、本部から営業店への指示対応もおのずと減ります。この点についても今後負担が軽減されることを期待しています。

今後の展望を教えてください。

今回は、法人向けの継続的顧客管理に関する業務の一部をSPIRAL®によってシステム化した形なので、ゆくゆくは個人向けにもこれを応用していきたいと思っています。とはいえ、前述したとおり我々の業界やお客様の性質を鑑みると、業務上、紙を用いた方が良い場面が多いのも事実です。これまで確立してきた業務フローもありますので、現場に寄り添いながら徐々にシステムを進化させつつ、業務の改善を図っていきたいですね。

継続的顧客管理は、金融機関にとって必要な取り組みではあるものの、我々と同じようにお客様への負担や低い回答率などに悩みながら取り組まれている方も多いと思います。システム化への不安も然りです。そうした方々へ、今回の我々の取り組みが参考になりましたら幸いです。

(2025年06月26日掲載)
※企業情報・肩書などを含め、本事例ページに記載された内容は取材当時のものです。

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