オンデマンド配信のWebセミナーを開催して、顧客満足の向上を図りたい
SPIRAL® 導入前の課題を教えてください。
海外インベスターサービス営業部では、お客様向け大規模セミナーの開催を毎年の恒例行事としてきました。セミナーはこれまでずっと実会場で開催するリアルセミナーでしたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、初めてオンラインでのライブ配信セミナーとして開催しました。
しかし、いつでも好きな時間に動画を視聴できるオンデマンド配信が一般的になった影響でしょうか、お客様から「セミナーをもう1度見たい」「オンデマンドで配信してほしい」というご要望を非常にたくさんいただきました。そこで、次に開催するオンラインセミナーはライブ配信形式ではなく、オンデマンド配信形式に切り替える方向で準備を進めていました。
SPIRAL® の導入を検討されたきっかけを教えてください。
以前のライブ配信で使用していたサービスはオンデマンド配信に対応できなかったので、その他のサービスを探す必要がありました。その時に候補にあがったのがSPIRAL® でした。SPIRAL® は当社の複数部門で導入されており、他の部門ですでに動画配信に利用した実績もあったので早速パイプドビッツに問い合わせました。
SPIRAL® 以外のツールはほとんど検討しませんでした。というのも、当社は金融機関ということもあり、外部企業とお取り引きする際にはセキュリティをはじめ厳しい審査をクリアしなければなりません。SPIRAL® はすでに当社の審査をクリアしていましたし、私たちの部門では以前からメール配信にSPIRAL® を利用しており慣れていたので、SPIRAL® 一択で検討を進めました。
SPIRAL® とEquipmediaを組み合わせ、オンラインセミナーの受付・オンデマンド配信・アンケート・視聴データ分析が可能なシステムを構築
SPIRAL® で開発した「ウェビナーワンストップシステム」について教えてください。
最初に、システムからセミナー参加者に向けてメールを配信します。メール文中のURLをクリックするとマイページ(動画視聴ページ)に遷移して、そこで動画が視聴できる仕組みになっています。マイページへのアクセスには事前登録で取得するIDとパスワードが必要になります。この事前登録やユーザー管理もシステムで行っています。
マイページには、セッションテーマごとに複数の動画が並んでいて、クリックをすると動画の再生が始まります。これらはEquipmediaに保存されているデータをJavaScriptで読み込んで再生しています。PDFなどのセミナー関連資料もマイページからワンクリックでダウンロードすることができます。
マイページからアンケートページへの遷移も可能で、セミナーへのご意見やご感想はそこで収集することができます。動画の視聴履歴などはEquipmedia側で取得しており、詳しい分析データはそちらで確認することができます。
システムの開発作業はどのように行いましたか。
システムの開発はすべてパイプドビッツに依頼をしました。「シンプルでわかりやすい画面にしたい」「セミナー資料をダウンロードできるようにしたい」などの要望をお伝えして、それらを機能として組み込んでもらいました。私たちが行った作業は、メールアドレスなどのデータ流し込みと、メール配信などのオペレーション作業だけでした。要件定義には時間をかけましたが、構築自体は1カ月半ほどで済んでいます。
オンデマンド配信によりWebセミナー視聴者数は1.2倍に増加!
セミナーの運営も効率化したほか、コンテンツの品質向上にも大きく貢献
「ウェビナーワンストップシステム」の導入効果を教えてください。
オンデマンド配信が実現できたことが一番の導入効果です。セミナーは5セッション×約1時間の構成なので、仮にライブ配信セミナーであれば、お客様は半日以上拘束されることになっていました。いつでも好きな時に、好きなセッションを選んで視聴できるので、お忙しい方も気軽にご参加いただけたのではないかと思います。YouTubeのように動画のスキップや再生スピードの調整もできるので、いろいろな視聴ニーズにお応えすることもできました。
セミナーの配信期間は当初2週間としていましたが、「同僚にも見せたい」「上司から視聴するよう言われたので再配信してほしい」といったリクエストがとても多かったため、1カ月後に1週間のアンコール配信を行いました。最終的にセミナーの延べ視聴者数は、ライブ配信に比べてオンデマンド配信では1.2倍に増えました。お一人の方が何度も熱心に動画を視聴している様子もデータからはうかがえました。
セミナー事務局のみなさまにはどのような導入効果がありましたか。
セミナーの運営がかなり効率化できました。ライブ配信の時には会場に有線LAN回線を敷設したり、オンラインで登壇する方の中継環境を整備するなど、配信中のトラブル・ミス防止にかなり気を遣っていました。オンデマンド配信は事前収録なので、ミスがあれば撮り直しできますし、後からテロップの挿入や資料差し替えなどの編集も行えます。登壇者の方もリラックスして撮影に臨めますので、コンテンツの品質向上につながりました。
また、これは想定していなかった使い方ですが、社員からもセミナー動画を見たいというリクエストが多く、これにはURLを共有することで柔軟に対応しています。以前はセミナー動画をDVDに焼いて渡すこともありましたが、そのような手間もなく、教育コンテンツとして気軽に動画を利用することができています。
メールアドレスと視聴履歴データの組み合わせにより、営業活動や
コンテンツ企画に活用できる「属性別の視聴履歴データ」取得も可能に
セミナーの視聴履歴データはどのように活用していますか。
以前は動画の視聴者数ぐらいしか把握できませんでしたが、Equipmediaでは視聴者数に加えて、動画のどこで視聴者が離脱したか、どこがよく視聴されているかなどの細かい分析ができます。このデータにSPIRAL® で保持しているメールアドレスを紐づけることで、属性別の視聴履歴データが取得できるようになりました。例えば、メールアドレスごとに証券会社様、投資家様、事業会社様などの属性を付与することで、「この動画は証券会社様が多く視聴している」「投資家様はこのテーマに興味を持っている」などの傾向が把握できるようになりました。
アンケートで取得した回答に、これらの属性別視聴履歴データを組み合わせることで、より立体的にお客様の興味・関心を把握できるようになると思います。これらのデータは今後、営業活動やセミナーコンテンツの企画立案にも活かしていきたいと考えています。
パイプドビッツのサポートについて感想をお聞かせください。
開発中はお互いに意図することをうまく伝えられないこともあり、そこは今後に向けての改善点ですが、実現したかったことはすべてシステム機能として具現化できました。無理難題とも言えるような要望にもしっかりお応えいただきましたので、大変満足しています。
冒頭にも申し上げましたが、金融機関という組織の特性上、外部のサービスには高いセキュリティ基準を求めています。SPIRAL® はその点をクリアしていますし、とても柔軟な開発ツールなので、何らかのシステム構築を考える際のファーストチョイスになっています。これからも引き続き、さまざまな面でサポートいただければと思っています。